フォーカスシステムズを株価考察する

株式会社フォーカスシステムズとは

1977年にソフトウェア開発を目的として設立。公共関連事業や民間関連事業として公共機関や銀行向けのソフトウェアの開発、ハードウェア、ネットワークを含む情報システムの構築、およびICTに関わるコンサルティング業がメインとなっています

またグループ会社にはセキュリティ機器関連事業の株式会社イノスと民間向けに各種アプリの開発、システムのインフラ設計や構築などのサービスを主とするVRaiBがあります。VR関連っぽいけど全然関係ないのであしからず

菅政権誕生によって話題のデジタルトランスフォーメーション関連銘柄です。システムの最適化やデータ分析などの今後ニーズが必ず盛り上がっていくであろう事業分野といえます

りゅのん
フォーカスシステムはジョブローテなしで一つの分野でスペシャリストを育成してるらしい
ユイナ
スペシャリストを養成することが大切なんだね。器用貧乏は役に立たないんだ…

売上は分散されていて安定している

セグメントの名称売上金額(千円)割合
公共関連事業6,083,99332.4
民間関連事業12,372,70265.9
セキュリティ機器関連事業317,1691.7
合計18,773,866100

セグメントの売り上げ内訳では民間関連事業が最も多いです。主な取引先は日本IBMやNTTデータ、ソフトバンクといった大企業で売上全体の50%を超えています

民間関連事業では、通信系ハードウェア周りのソフトウェア開発や保守点検のサービスを展開しています。またインフラ設計や技術支援も同時に行っています。これから5GやIoTが盛りあがってくる未来は確実なため、将来性のある事業分野だと思います

公共関連事業では、大手民間SIへシステムなどを納品し、官公庁や地方自治体の職員がエンドユーザーになります。国の予算は予め決まってるので国家的緊急事態が起きない限りは売上が極端に減少しません。安定的な収入源です。

セキュリティ機器関連事業では、官民問わず暗号技術や電子透かしなどの技術を活用してセキュリティ事故を防ぐための防御対策から事後対応までカバーしている。

自社のセキュリティビーコンを用いて、遠隔でも企業のVPNに接続したりする事業も行っており、流行りのリモートにも乗っかれる業務内容です

電子透かしとは

不正コピーや改ざん対策のため、あるソフトウェアを使用してファイルを読み出すと埋め込まれた情報を取り出すことが出来る技術

1万円札の透かしの電子版みたいなもの。例えばA社の製品をパクった疑惑のある製品から、A社の電子透かしが見つければ訴えやすくなるという具合である

好材料になりそうな研究活動

発電能力を有する低コストで安全な「三次電池」を筑波大学と共同研究

三次電池は置いておくだけで勝手に発電してくれる夢の電池です。原理は昼夜の気温差や日光の有無といった環境的な温度変化を電力に変換します

例えば防犯カメラなど低電力消費な機器だと、この三次電池を利用することで電池交換いらずでずっと使えることになります

下記記事に詳細が書いてあります。どうやら43℃以上で急激に起電力が上昇するようです。まだ研究段階でしょうが、もし実用化するなら昼夜の気温差というよりは日光の有無によって発電するタイプかなと思います

OPTRONICS ONLINE オプトロニクスオンライン

筑波大学,群馬工業高等専門学校の研究グループは,相転移を示すコバルトプルシャンブルー類似体を配置したビーカーセル型三次電…

りゅのん
もし先駆けて実現できたら電池マーケット圏に風穴を開けるレベルの衝撃になるかも
ユイナ
ちょうどEVに移行している自動車業界のようにメインプレイヤーが入れ替わることになりかねませんね

複数人との会話内容をリアルタイムで字幕表示する技術を筑波大学と共同研究

会議やワークショップ等、複数話者が同時に音声を発する場面において、聴覚障害者に有効な字幕提示ユーザーインタフェースの研究をしています

「誰が」「何を話したか」といった大量の聴覚情報をリアルタイムに視覚情報に変換し、聴覚障害者の情報取得の助けとなる機能性を目指すようです

本共同研究では、MR(複合現実)デバイスを用いて、聴覚障害者が音声を視覚的に認知しやすくなるUIを検討中です。多人数同時参加型の新たなコミュニケーションプラットフォーム開発につながる成果が得られることが期待されます。

MRデバイスの網膜投影って視力0.05とかの人でも綺麗に映像が見えるのも魅力です。もはやSFみたいな技術領域になってきました。これからが楽しみです

りゅのん
こういった機能をGoogleスマートグラスとかに組み込んでいくと、スマートフォンに代わる新たな全員所持必須の個人デバイスに変貌する可能性がありますね
ユイナ
網膜投影で音声が視覚情報として表示される……ですか。lineに代わる新ツールにもなるかもしれません

  1. デジタルトランスフォーメーション(DX)とは


    生活にIT技術を導入してより豊かな世界へと変貌させようとすることです。数十年後にはそれこそ川原礫のラノベであるSAOのような世界が広がっているかもしれません

フォーカスシステムズの財務分析

回次 第42期第43期第44期
決算年月 2018年3月2019年3月2020年3月
売上高(千円)19,327,34421,453,82922,703,906
経常利益(千円)1,019,5221,375,5631,467,598
当期純利益(千円)719,243874,282930,316
純資産額(千円)9,201,2289,106,5398,885,900
総資産額(千円)16,820,80515,991,99215,361,878
自己資本比率(%)54.756.957.8
自己資本利益率(%)8.79.610.3
株価収益率(倍)18.416.710.9
営業活動によるCF(千円)641,4611,322,763745,907
投資活動によるCF(千円)49,757△395,181△587,629
財務活動によるCF(千円)544,834△832,644△874,162
現金及び現金同等物(千円)4,683,2004,778,1374,062,253

売上と利益ともに右肩上がりに推移しており、2020年現在は売上227億円で経常利益14.7億円となっています。営業利益率は7%弱といったところ。少しインパクトにかけますが一部上場の企業で安定感はあります

自己資本比率も50-60%台と安定しており、営業CFも常にプラスなため安心して持てる銘柄かと。流動比率も2倍以上あるので問題なし。ROEも10%程度はあるのでDX関連で盛り上がってくれば機関投資家さんが買ってくれるかも

時価総額166億円とまあまあ手ごろな株価です。利益が15億円程度ですので可もなく不可もない適正価格な気がします。大株主には取締役が25万株持っているだけで、経営者の本気もそこまで期待できそうにありません

ちなみに有価証券報告書上ではセグメント利益(営業利益)と記載している項目がありますが、実際の数値は営業利益ではなく(売上総利益)の誤記でした。ご覧になる方はお気をつけください。

フォーカスシステムズの株主優待

東証一部上場のフォーカスシステムズには所有単元に応じた株主優待があります。現在株価1050円くらいで一単元105000円となり、貰えるポイントは(所有単元数から1を引いた値)×1000ポイントです

ある意味でタダでもらえるふるさと納税返礼品みたいなもの。ちなみにカタログ内の商品価値は1ポイント=1円のイメージでした

ものによっては半値以下の価値しかないギフトもあるので精査は必要です。選ぶの楽しそうなので個人的にはアリ寄りのアリです

保有株式数進呈ポイント数保有株式数進呈ポイント数
200 株 1,000800 株 7,000
300 株 2,000900 株8,000
400 株 3,0001,000 株 9,000
500 株 4,0002,000 株 18,000
600 株 5,0003,000 株23,000
700 株 6,000 

おわりに

フォーカスシステムズの直近1Qでの売り上げにコロナの影響は全体としては殆どありません

社会性の高い公共分野では予算が予め組まれていて売り上げが落ちにくいのは強みです。また保守管理は定期的な実施が必ず必要なサービスであることも起因していると思います

売上が右肩上がりになっていて安定した事業ポートフォリオを持っており、時価総額も高すぎない流行りのDX関連銘柄であることから購入しても悪くないと考えています

配当利回りも2%あって優待も貰えるので安くなったら検討するつもりです

最新情報はこちら!