うねり取りやデイトレで勝てると、他人よりもうまく立ち回っている気がして嬉しくなりますよね。
しかし資金が効率的に増えているかというとNoです。税金面を考えると余計なリスクを取っているといえます。
株式やFXでは取引のたびに利益の20%を取られるからです。従って最も効率が良いのは「ポジションを取って放置しておくこと」です。
取引回数が増えるため
大数の法則では試行回数が増えるごとに本来の確率に収束していきます。
スキャルピングやデイトレなどの短期では必然的に取引回数が増えるため、銘柄選定やタイミング、需給などを読む上手さが勝率として結果に反映されます。
近頃では高速アルゴも市場に導入されており、貴方が売買のボタンを押した瞬間に見えていた買い板がなくなることもあります。ますます個人が勝ちにくい状況になっています。
信用取引は長期投資には向かない
自分の資金の数倍を扱える信用取引は多くのトレーダーに利用されています。素早く資金を増やす手段として人気ですが、制度信用は半年で決済の必要があります。
一般信用であれば無期限に利用可能ですが、いずれの証券会社でも運用中は年1-2%程度の金利が掛かってしまいます。
配当やスワップなどに身近な方々はこの金利がとてつもないビハインドであることが分かると思います。仮に1000万円借りたら年に15万円ほど金利を払うことになります。
したがって信用を利用する場合は、短期売買での投機に偏りがちですね。
税金は予想以上に利益を蝕む

利益に課税される20%の税金の威力を検証するために、100万円を元金にして利益を出して32倍とした場合の税金を示します。
2倍を5回とって実質的に32倍にした場合、利益に対して20%を毎回取られる複利効果によって手取り約1900万円になってしまいます。
対して一回の投資で32倍とした場合は約2600万円が手元に残ることになります。この点において長期投資が圧倒的に有利なことがお分かり頂けると思います。
2倍を5回のように短期で資金を回転させるのは労力をかけたわりにメリットが少ないです。しかし前述した信用取引が利用できるため、レバレッジ効果により短期で資金を増やしやすいという側面もあります。一方で失敗すると破滅するリスクもありますが。
株式市場で勝つために

ここから株式市場に焦点を当てて記述します。
市場で勝つには自分のルールを設定して取引をし、収支を付けるのが王道です。数か月おきにふり返って勝率と収支がプラスになるまでルール改良を続けていきます。
これは短期でも長期でも同様の戦略です。ただ長期の場合は最強の指標であるTOPIXやS&P500とパフォーマンスを比較する必要があります。
続けてみてアンダーパフォームし続けるようなら、指標に乗り換えてしまうのも一つの手です。
短期売買での戦略
人々の気持ちを読んで需要を考えることが重要なため、目ざとく情報を集めて短期の噴き上げに乗っかる必要があります。相場に張り付けるなら好決算や好材料などで上がった銘柄の初動に乗っかるのが比較的再現性の高い方法だと思います。
またCis本でも冒頭で話されていますが、トレンドフォローも有効です。ある一定期間はトレンドが継続しますので、頭と尻尾はくれてやるつもりで途中乗車&下車しましょう。
銘柄へインするタイミングはチャートのみを見ればよいです。ファンダメンタルズは殆ど関係ありません。
長期保有での戦略
長期ではウォーレン・バフェットのようにGAFAMに代表される強い企業を買って長期間放置することが正しいと思います。
またまたCIS本でもありましたが、いまいま人気のあることではなく長期的にみて絶対に成長すると思う企業に投資をすることが肝心です。
長期での銘柄選定では短期と違ってファンダメンタルズを意識する必要があります。万年赤字垂れ流しの企業でイナゴの巣窟になっているクソ株では下落時に信じられないほど売られます。
冒頭のGAFAMや日本なら誰もが知っている有名メーカーを買い集めて、放置しておくという戦略が比較的にラクで効率的に資産を増やせると思います。
ようは長いモノには巻かれろです。バフェットも資産の9割をS&P500で運用してほしいというように指標に勝つのは大変です。とくに米国株の指標にはなかなか勝てないと思います。
米国株の指標投資は下記のエントリーに記述しています。何も考えずに労力を使わずに資産を増やせる”最強”の投資先だと思います。よければご一読を。
りゅのん バフェットは家族に言いました。俺の死後には資産は全てVOOに捧げろと ユイナ 全てとは言ってませんが間違ってはないですね。今のところ米国株インデックス投資は鉄板ですので インデックス投資を行う[…]
未知の技術や可能性には買いが集まる

さて投機する人は単調なもので未知の技術や可能性を好みます。たとえばガンホーやミクシィなどは一時期に10バガーを超える成長をみせました。
これは彼らが ガラケー⇒スマホ というハードウェア変更において未知の可能性へのムーブメントの先陣を切ったからです。
スマホの特性を利用したソシャゲという新たなビジネスモデルがどんな結果を生むのか分からないけど、「なんか凄い儲かりそう!!」という期待とともに株価がウナギ上りに上がっていきました。
任天堂も一時は7万円台に
もう一つゲーセクから任天堂が2012年に7万円をつけたことを例を出します。任天堂がこの値段を付けたのはWiiが絶賛好調だったころです。
これもゲームコントローラーにモーションを加えるという未知の新しい発想が評価されて売れだしたことが起因しています。
同様のコンセプトで2004年のPS2時代にアイトーイプレイなどが発売されましたが、これは失敗に終わっています。その理由はズバリモーションキャプチャをゲームの中心として据えなかったからです。
現在のPSVRと同様に”付属品”として発売したため、コアなゲームファンにしか行き渡らなかったため失敗したのです。しかも独自の人気IPを持っていないのも痛いです。
一方でバカ売れしたWiiではモーションキャプチャゲームそのものをハードとして売り出しました。これが成功の種だった。
加えて任天堂の持つIPはポケモンやマリオなどの絶大な人気があるモノが多数であり、家族などの一般層にWiiというハードを浸透させる手段として絶大な力を発揮しました。
またこの時期はソニーがPS3で失敗していたことも追い風となっています。このときには現在の営業利益の数倍を叩き出しており、名実ともに任天堂は最強でした。
バイオは未知の期待の巣窟
バイオも引き合いにだします。小型バイオはとくに未知に期待した株価の動きをみせます。業態として多額の研究費を掛けて100個の薬候補を出して、一つ当たれば全て回収できるというビジネスモデルです。
FDAに承認されるまでのプロセスで薬が効果ありそうというリリースでS高、逆ならS安を付けるような値動きはなかなか精神にきますね。MSワラントにも怯えて保有する必要があります。
しかもP値0.05の壁もあって、サンプル数が足りなかったり、そもそも薬効が微妙だったりして承認に至るかは運ゲーです。大抵は挫折して終了します。
治験に失敗すると期待ははじけ飛び、S安に次ぐS安が待っています。最近ではサンバイオショックが有名です。こういう小型バイオの株価は期待だけで買われていると思います。
今だとテラやアンジェスでしょうか。私はちょっと触れないです。
短期売買で勝てない理由のまとめ
- 資金を回転させるほど利益は大きく目減りする
- 信用で借りた資金には金利が掛かる
- まぐれで大きくは儲からない
短期の攻略法としては、確実に期待値を出せる投資手法を試行錯誤して見つけるしかありません。
一方で長期の攻略法としては、将来的に成長が期待できそうな大型銘柄や指標にベットするしかありません。
投資を趣味だと考えて退場しないよう長く付き合っていきましょう